製品情報:薄膜高分子積層コンデンサ(PMLCAP)

薄膜高分子積層コンデンサ(PMLCAP) テクニカルノート

はじめに

近年、電子機器のデジタル化への移行により電子部品の小形化が加速され、その速度は留まることがなく、そこに使用される部品は、従来以上の高性能高信頼性を求められています。
コンデンサはあらゆる電子回路に使用され、必要不可欠な部品でありますが、いずれのコンデンサにおいても、小形高容量、優れた高周波特性、高耐熱性、低ESR、低インピーダンスといった性能の向上が常に求められています。
こうしたニーズに対し、ルビコンでは全く新しいタイプの表面実装形フィルムコンデンサを提供しています。それが、PMLCAPです。

PMLCAPとは

PMLCAPの呼称は、Polymer Multi-Layer Capacitorの頭文字から取ったものであり、高分子(ポリマー)を多積層した表面実装形のコンデンサを意味します。従来のフィルムコンデンサにも、表面実装形はありますが、PMLCAPがそれと大きく異なる点は、誘電体の種類、更にはその製造方法にあります。
PMLCAPの誘電体厚は、従来のフィルムでは実用上製造が困難である1μm以下です。ルビコンは、この薄膜誘電体層を形成する技術を確立することにより、画期的な高容量小形のフィルムコンデンサを製造する事を可能としました。

製造技術

製造技術PMLCAPが従来品と大きく異なる点として、誘電体の厚さだけでなく、誘電体材料にもあります。従来のフィルムコンデンサは、PET、OPP、PPS、PENなどのフィルム上に金属が蒸着されたもの(メタライズドタイプ)、またはこれら生のフィルムと金属箔をセットとし(箔タイプ)、巻回もしくは積層することにより、リード線タイプ、缶タイプ、あるいはチップタイプとして製造されています。しかし、このような製法では、市販のフィルムを使用することから、その小形化技術の追求には自ずと限界がありました。そこでルビコンは、これら製造方法の欠点を補い、更にそれと代わる製造技術を追及し、自ら誘電体層を形成すること、更にはそのための製造技術の開発に着手し、2006年に量産化に成功しました。
放射線硬化型樹脂を誘電体とすることで、真空蒸着重合技術を製造方法に採用しています。即ち、真空槽中において誘電体層を重合形成し、続いてその上に内部電極層(アルミニウム)をパターン化して形成する。これを交互に連続的に行い、コンデンサの母素子となる積層体を作り上げます。この母素子を製品単位に切り出し、電極層の形成を行い、製品化します。真空蒸着法を採用することで、誘電体層はサブミクロン単位の厚さでありながらピンホールフリーで、均一な成膜が可能となっています。またその積層数は、数千から1万層余りにまで達します。

PMLCAPの構造

PMLCAPの構造PMLCAPの内部構造は、誘電体と内部電極のみで構成されています。外部電極は複数の金属層から形成されており、最外層に錫メッキを採用し、完全鉛フリーに対応しています。また、部品としてもRoHSに対応しています。耐熱性の高い誘電体材料を採用したことにより、260℃ピークの2回リフローはんだを保証し、故障モードについては、従来のフィルムコンデンサと同様にセルフヒーリング効果を持つことにより、「オープンモード」となることも特長です。

PMLCAPの特性と用途

特性の注目すべき点として、『温度変化やバイアス印加による容量の変化が少ないこと』、『高温度領域における特性に優れること』、『圧電効果に見られるようなリプル電流による「うなり音」が小さいこと』などが挙げられます。また、瞬間的なパルス過電流印加に対しても強い構造となっています。そのことから、静音設計が必要とされる機器用途、オーディオ分野における音質向上など、その用途は多彩であり、更には車載用部品としても注目されています。積層セラミックコンデンサ(MLCC)やタンタルコンデンサからの置き換えも可能です。

周波数特性
周波数特性

バイアス特性
バイアス特性

温度特性
周波数特性

うなり音
うなり音

製品ラインナップ

PMLCAPは、大幅な小形化を実現しながら、-55から125℃までの広い温度範囲で特性変化が少ない特長を有しています。しかも重量は、同一体積の積層セラミックコンデンサの4分の1と非常に軽量です。
STシリーズでは、3216から8271までの6種類のサイズ(JIS)、定格電圧として16~63Vまでをラインナップしています。

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